こんにちは、プラチナカードホルダーのまひです。
クレジットカードは、クレジットカード本来の機能や、付帯してくる特典、買い物によるポイント還元など様々なサービスがありますが、審査が厳しく年会費も高額なハイステータスなカードになると、そのサービスもセレブ向けのものになります。若者の物欲が減っていると言われる昨今でも、このようなハイクラスカードの需要は高まっているのでしょうか。
実は、これから先プラチナカード以上のハイクラスカードは、競争の時代に突入するといわれているのです。
今回の記事ではその理由をお伝えしていきます。
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ステータスカードも競争が激しくなっている
2015年12月に、三井住友信託銀行はクレジットカード「ダイナースクラブ」の日本での独占発行権を取得しました。将来的な見込み客の獲得を狙っての動きだと言われていますが、その背景には、三井住友信託銀行が「今後ハイクラスカードの会員数が増加する」という読みをしていることがうかがえます。実際に、ダイナースクラブのカード運営を行う三井住友トラストグループの社長である野原幸二氏は、以下のように語っています。
日本の富裕層向けクレジットカード市場は今、じわじわと伸びている。日本では団塊の世代が引退しはじめ、お金に余裕のあるシニア層が増えていることが、ハイクラスカードの市場が拡大する要因になっている。
また現役世代の高額所得者が増えていることも、要因に挙げられるだろう。
クレジットカードも二極化の傾向がある。楽天カードのように年会費無料で入りやすいカードが会員数を伸ばしている一方、入会基準が厳しいハイクラスカードも増えている。
以前はダイナースとアメックス(アメリカン・エキスプレスカード)がハイクラスカードの代表格だったが、この十数年で、VISA、JCB、DCなど各社がプラチナなどのハイクラスカードを発行してきた。ハイエンドクラスではアメックスのセンチュリオンカード(年会費35万円)と、ダイナースクラブのプレミアムカード(年会費13万円)がある。ハイクラスカードの競争が激しくなっているのは確かだ。
団塊の世代が次々とリタイアし、裕福な状態で老後を送っているため、その層を中心にハイクラスカードの会員数が伸びるという予測をしているようです。また、所得が二極化しているということはよく言われていますが、クレジットカードも二極化している状況があります。
楽天カードは、テレビCMなどもよく放送しており、「会員数1000万人突破!」などの情報も入ってくるので、拡大していることはよくわかりますが、実はその裏側で、ハイクラスカードも会員数を伸ばし、競争も激しくなっているようです。
実際に、所得とクレジットカードの二極化をつなげて考える下記のような考察もあります。
今後様々なものが二極化していくと言われておりその最たるものが所得となっています。民間給与実態統計調査によれば、わずかずつではあるが、低所得者層(600万円以下の層)の平均所得は2009年から徐々に下降傾向になっており、反対に600万円以上の高所得者層の平均所得は増加傾向にあるというデータが公表されています。まさに所得の二極化が進んでいる状況となっています。
同じ状況がクレジットカード市場にも起きていると言え、低所得者層が目先の利益(クレジットカードのショッポングポイントなど)を重視する傾向が強くなっているため、楽天カードやリクルートカードなどポイント高還元率を売りにするカードが伸びており、高所得者層は逆にステータス、付帯サービスで選ぶハイクラスカードが発行枚数を伸ばしている状況にあります。
所得が二極化され、低所得者は年会費が無料でポイント還元率が少しでも高いお得なカード選ぼうとし、高所得者は、ポイントよりもセレブ向けな付帯サービスがライフスタイルに合っているハイクラスカードを選ぼうとする傾向があるようです。
差がつく部分は?
では、ハイクラスカードの競争が激化する中で、どのように会員数を確保し、他と差をつけていけばよいのでしょうか。野原氏は同インタビューで下記のように語っています。
会員に対し、いかにプレミアムサービスや付加価値を提供できるかにかかっている。ダイナースクラブはその名の通り、食事を楽しむ人のために1950年にアメリカで設立されたクラブだ。決済をしてもらうことを主たる目的としたクレジットカードとは、理念が違う。今もその理念は変わらず、会員限定の特別なイベントを定期的に開催している。例えば、フランス大使館、英国大使館など一般公開されていない場所で催されるパーティや、月に一度、会員のために小野二郎さんが握ってくれる「すきやばし次郎のお寿司を楽しむ会」なども開催している。
日本は1人あたりの利用額が世界でトップクラスだ。複数のカードを持っていても、日本人は、銀座での買い物やゴルフをするときなど、高い金額の支払いに特定のカードを使う傾向にあるからだ。ダイナースクラブカードはカードの利用状況に基づき限度額を設定しているため、数百万の買い物もできる。これからいかに特別な食事や旅、買い物を楽しんでもらえるかに、今後の顧客獲得の成否がかかっていると考えている。
ダイナースクラブの場合、「食事」という設立のきっかけとなったサービスを柱に据えて、付加価値を提供していく構えのようです。多くのカードがそうであるように、ハイステータスカードの付加価値として有効とされるのは旅行と食事に関係する部分になるのでしょう。
2016年、新たなるステータスカード「Luxury card」上陸
クレジットカード業界ではもうすでに話題になっていますが、2016年にLuxury Cardという新たなステータスカードが日本に上陸しました。
日本国内でも、アプラスと米国「BlackCard社」の提携により11月1日から発行が決まったLuxury Card。
そもそもLuxury Cardは、米国でBlackCard社が富裕層向けに発行しているクレジットカードであり、金属製デザインの高級感のある券面が特徴です。
日本国内でも、知る人ぞ知るステータスカードとして注目されていたLuxury Cardが、ついに日本国内でも発行が決まったのですね。
チタンカード・ブラックカード・ゴールドカードの3種類があり、ゴールドカードは年会費が21万6000円と、完全に富裕層をターゲットとしています。
付帯サービスについては、コンシェルジュサービスはもちろんのこと、プライオリティパスや、世界各国の特別なラウンジを利用することができるラグジュアリーラウンジ、そして、高級レストランの予約した際に1名分を無料にしてもらえるラグジュアリーダイニングなどといった、アメリカンエキスプレスのプラチナカードと比較しても引けを取らない内容になっています。
このLuxury Cardの場合は、アメリカンエキスプレスのように紹介制ではないため、インビテーションなしでも、申し込むことができます。そのため、インビテーションのない状態ですぐに富裕層向けのステータスカード使いたいという場合お勧めです。
まとめ
所得が二極化するのと同時に、クレジットカードの使用者層も二極化しています。
そのため、今後はハイステータスカードの需要が増え、競争が激化することが予測されています。2016年には新たにLuxury Cardという富裕層向けのカードも、新たに日本に上陸しました。どれだけサービス内容を差別化できるのかという部分がポイントになりそうです。